シネマとキリスト教音楽


映画に登場する賛美歌やキリスト教音楽の紹介です。シネマには、キリスト教のテイストがいっぱいです☆
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映画「バーバー吉野」 ヘンデル『ハレルヤ』ほか

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もたいまさこ主演のコミカルな邦画である。それほど予算がかかっているようでもなく(雰囲気としては『サトラレ』にも通ずるものがあるが、スケールとしてはあちらの方が大きい)、笑える作品なのにある視点をしっかり持ちつつ観るとなかなかに意義深い。最近映画を観てもあまりはずれはないのだが、これは文句なしのヒット!
ある街の少年たちは、みな同じ髪型「吉野刈り」。カットは全て昔ながらの理髪店バーバー吉野。それまでは平和でのどかな街に、東京からの転校生が来たことで街は一変する。小学生のイケメン坂上くん。彼はどうしても「吉野刈りはイヤだ」と抵抗するのだが・・。

ローカルの秩序や伝統と、それに伴う排他性。例えばそれは異性愛/同性愛、シングル/カップル、男性/女性、キリスト者/非キリスト者・・など自分に関心のあるテーマとからめるとなお映画の面白さが増すだろう。

音楽もきらりと光っている。オープニングはヘンデルの「ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)」、「ハレルヤ」も登場。この画像は吉野刈りの少年たちが「ハレルヤ」を歌っているシーン。
基本的にクラシック曲がさり気なく使われているが、アレンジはヨーロピアン・クラシカルではなく日本的なテイストなのがなおよい。古きよき日本の風景が目に美しく、小学生時代の甘酸っぱい想い出もよみがえる。

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by mt-musique | 2006-03-24 16:04 | その他

映画「アメリ」 バーバー『アダージオ』

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今頃?と思われるかもしれないが、アメリをようやく鑑賞した。「きっと好きですよ」と友人に勧められながら、なかなか機会がなかったのだが、先日銀座でミヒャエル・ゾーヴァ展に行くことが出来て「今観ないでどうする~」というノリ。ちょうどよくスカパー!で放映されたのだ。

キュートでポップなのだけれど、不思議な映画だった。軽やかに流れるアコーディオンの音色は耳に心地よく、まるでパリに吹き抜ける風のようだ。リードオルガンでは弾けないかなぁ。今度楽譜を探してみよう♪
アメリのキャラクターは、最近で言うとのだめちゃんとMr.ビーンのよいところを合わせたような・・不思議ちゃん。とてもキュートなのに、自分の魅力にはまだまだ気づいていない。
フランスにはフランス風マニアやオタクも多いのだろうか? そう言えばアニメファンが多いとよく聞く。TGV(フランスの特急電車)でもアニメ雑誌を食い入るように見つめる男性や、アニメの話題を持ちかけてきた学生もいたっけ。アメリが好きになった彼も、さすが彼女のお眼鏡にかなっただけはあって不思議くん。

パリの日常と、そしてあまり難しい会話は登場しないので、ちょっとしたフランス語の聞き取り練習にもなった。と言ってもごくごく簡単な単語や会話ぐらいしか聞き取れないのだけれど・・。
舞台はモンマルトル界隈。サクレクール寺院からの風景が美しい。パリは3度も訪ねたのに、モンマルトルはまだ訪れていない。一人旅か友人と二人なので、スリ等が怖くて微妙に観光地は避けているのだ。

驚いたのは、アメリの寝室のシーンで(ここで、ゾーヴァの絵画や電気スタンドが登場)流れていたのは、バーバーの「弦楽のためのアダージオ」だったのだ! 映画「プラトーン」のテーマ曲としても知られる、20世紀アメリカの作曲家の作品。またバーバーは、無伴奏の合唱曲も大変美しい。シェーンベルクやグレツキなどのアカペラ作品と共に収録されたこちらのディスクもお薦め。

監督のジャン・ピエール・ジュネは、「ロスト・チュルドレン」や「エイリアン4」も撮っているが、そう言えばアメリとエイリアン4のウィノナ・ライダーは雰囲気が似ている。
アメリはよかったけれど、個人的にはロスト・チュルドレンがより好みかな。
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by mt-musique | 2006-03-05 21:58 | その他

映画「氷点」 フランク・オルガンコラール1番

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山本薩夫監督(1966)
若尾文子、安田道代、船越英二、山本圭、津川雅彦、森光子

三浦綾子さんの小説にはまったのは、小学生か中学生の頃だったろうか。体調が悪くて学校を休んだとき、こっそりと布団の中でむさぼるように読んだことがよみがえる。彼女の作風はとても重たくていかにもプロテスタント的に思う。時にカトリック作家の方が好みなのだけれども、日本においてはやはり欠かせない作家であったことは間違いない。

この名作は何度も映画化・ドラマ化されていたようだ。スカパー!で1971年版小山明子主演の「氷点」が入り、ちょうど1年の中でもっとも時間がある時期だったので全話を観ることが出来た。今観ると少し「くさい」演技もあるのだが、登場人物はみな役柄にぴったりだし、何よりも小山明子演ずる陽子の継母夏枝がそれまで美しかったのに、陽子出生の事実を知った後に鬼のような形相に変化していくあたりの演技が素晴しい。氷のような冷たい美しさがあるのでなおさら演技が引き立つ。

小説のテーマは「原罪」だ。私たちが生まれながらに持つ「罪」。これはキリスト教ではベーシックな信仰理解である。それにしても、ここまで全ての人に暗く語れない過去を持たせるとは・・ストーリーの細かな部分を忘れていたので、改めて背筋が凍る思いがした。

ドラマ版は全50話だが、それに比較すると100分弱の映画は少々はしょっている部分もあるにはあるのだが、映画ならではの重苦しさが全編に漂っている。時代設定もドラマよりも少し昔で、開業医辻口医院の自宅はドラマよりも映画の方が豪華で趣がある。ヨーロッパの磁器や洋酒が庶民の憧れであったこともよく分かる。またアイヌの風俗が2-3度登場するのも映画版の特徴。より北海道というロケーションが意識されているのか。

音楽で特徴的な曲は2曲。1曲目は映画の冒頭で夏枝が演奏しているショパンの幻想即興曲。この時代ピアノを弾ける=育ちがよいことの象徴だったであろう。そしてあまりにさり気なくて気づかない方も多いと思うが、驚いたのはセザール・フランクのオルガンコラール1番のオーケストラアレンジが何度も静かに登場しているのだ! 静かすぎてまるでオリジナルのBGMに聞こえるかもしれないが、確かにあの曲である。フランクが晩年に作曲した3曲のコラール曲の第1曲目。ちなみにドイツの教会賛美歌(コラール)とは違い、フランクがオリジナルで創った「コラール」である。

学生YMCAやYMCA関係者にはよく知られているが、小説「氷点」にも登場する実在した洞爺丸沈没の事件。北海道には滅多に来ない台風によって青函連絡船が沈没してしまったのだが、その際に命を落としたストーン宣教師とディーン・リーパー氏。リーパーさんは学生YMCAの出張の帰りに洞爺丸に乗船し、自分の代りに他の人を助けて命を落とされたという。彼を迎えるはずの東北大の学生Gさんは、そんなリーパー氏の生きざまに深い感銘を受けて後に遺志を継ぐかのようにYMCAのスタッフになられるのだ。
映画では時間の関係で洞爺丸事件のエピソードは描かれていなかったが、まさに「愛とは何か/罪とは何か」という人間が生きていく上での特級のテーマを扱った力作である。
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by mt-musique | 2006-03-02 11:41 | コラール

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