シネマとキリスト教音楽


映画に登場する賛美歌やキリスト教音楽の紹介です。シネマには、キリスト教のテイストがいっぱいです☆
by mt-musique
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ソフィーの選択

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Alan J. Pakula アラン・J・パクラ(1982)
Meryl Streep メリル・ストリープ(Sophie_Zawistowska)
Kevin Kline ケヴィン・クライン(Nathan_Landau)
Peter MacNicol ピーター・マクニコル(Stingo)

恐らく名作の1つであると言えるのに、今まで何故か一度も観たことがなかった。とにかくメリル・ストリープが美しい。それに反して強制収容所での囚人生活の様子は、彼女の面影がほとんどないままに変わり果て演技とはいえ素晴らしい。
視点は主人公のアメリカ青年スティンゴであるようで、実は全編ソフィーの視点なのかもしれない。強制収容所のシーンもどこか女性的な視点で描かれていて、(ルドルフ・ヘスが登場しているのに)他の映画作品のようなパンチはあまりない。もっとも私には分かりかねるが、特にナチスドイツや戦時下を描く時、時代的な描き方や手法の変遷のようなものもあるのだろう。最近のポーランドが舞台の戦時下の作品を観るとき、以前よりもさらに踏み込んで書かれていることが多いように思う。

音楽は、残念ながらこのブログのテーマのキリスト教音楽はほとんど登場しない。初めの頃にピアノ曲が数曲流れているが、それらはどこかポーランド出身のショパンを思い起こさせ、雰囲気によく合っていた。いちばん印象に残った音楽はベートーヴェンの第9シンフォニーを聴きながらネイサンが自分で指揮のポーズを取るシーン。

主人公はポーランドからアメリカに渡ったソフィー(メリル・ストリープ)、ソフィーの恋人でユダヤ人のネイサン、そして二人の親友になりアメリカ南部出身のスティンゴ。この3人は非常に役柄にはまっている。他はアウシュヴィッツ強制収容所のシーン以外はほとんどこの3人が中心に描かれている。ソフィーの美しさの影に隠れた戦時下の悲劇と現在の苦悩、それがある故にどこかクレイジーなネイサンに惹かれ最期まで離れられない様子が哀しくも美しく描かれている。

個人的には複数の言語が登場するので興味深かった。英語、ポーランド語、ドイツ語・・など。ソフィーはポーランドでは「ゾーシャ」と呼ばれるようだが、英語読みの「ソフィー」とは聞いたニュアンスもまた違う。
ソフィーとネイサンは英国のディケンズならぬアメリカの詩人エミリ・ディキンソンの詩集がきっかけで互いの思いを通わせ合うようになるが、母国語で互いに朗読するシーンが静かで印象深い。米語で・・ポーランド語で。それは例えば戦時下の日本やドイツや他の国々が、「侵略」していった国に自分たちの言語を強制していたのとはまったく対極にある。
きっと「平和」はこのようにささやかな日常からゆっくりと作り出されていくのだ。多様な言語や文化を認め、知っていくことで「自分だけが全てではない」と新たに気づかされていくことが私たちには常に必要なのかもしれない。

The Bustle in a House
The Morning after Death
Is solemnest of industries
Enacted upon Earth―
The Sweeping up the Heart
And putting Love away
We shall not want to use again
Until Eternity.
死んだ朝の 家のざわめきは
地上で演じられる 厳粛な儀式―
心を掃き清め 愛をしまっておく
もう二度と取り出すことのないように 永遠に。
The Poems of Emily Dickinson(1955)-Thomas H. Johnson 編集-より
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by mt-musique | 2006-01-17 10:57 | その他

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