
スカパー!で見かけたときに、設定に驚きしかもMusical! 改めて鑑賞した。
舞台は20世紀初頭の東欧ユダヤ人社会。家事よりも学ぶことが大好きな女性イエントルは、周囲には内緒で愛する父にタルムード(ユダヤ教の教え)を教わっていた。
当時のユダヤ人社会は特に役割分業がはっきりとしている。女性が学ぶなんてとんでもない。愛する父を天国へ送ったイエントルは、なんと男装して男として大学で学ぶのだった・・。
オープニングは、まるで「屋根の上のヴァイオリン弾き」を思い起こさせるような典型的なユダヤ人社会。主要な登場人物はそれほど多くはないが、男装したイエントル(=アンシェル)はボーイッシュでチャーミングだし、友人で後にイエントルが恋をするアビグドゥも知的さとセクシーさを併せ持ってとても魅力的。
音楽はミシェル・ルグラン。強いインパクトを持つ曲はあまりないけれど、全体的に美しく自然に音楽が流れている。ユダヤ人社会の様子もかいま見られるユニークな作品。イエントルを演ずるバーブラ・ストライサンドの歌唱力、特にラストは素晴らしい。
VHSしかないのがとても残念。
「ジェイン・エア」(1996) フランコ・ゼフィレッリ監督
孤児院での礼拝とリードオルガン
「クララ・シューマン 愛の協奏曲」(2008独)
「つぐない」
賛美歌『主の招く声が』 戦時下にて歌われる
孤児院での礼拝とリードオルガン
「クララ・シューマン 愛の協奏曲」(2008独)
「つぐない」
賛美歌『主の招く声が』 戦時下にて歌われる

※2006年に書きましたが、未アップだったので掲載します♪
シェイクスピア原作、劇付随音楽ではメンデルスゾーンのものが最も知られていますが、英国バロック期のパーセルを始め複数の作曲家が作品化しています。
以前大学の講義で「結婚式の音楽」がテーマの時、今日録画したソフィ・マルソーやケヴィン・クラインが出ている版を紹介しながら見せたのですが、その時は吹き替えしかレンタルショップでは置いてありませんでした。今回は初めて字幕で観ました。
再鑑賞して驚いたのはメンデルスゾーンの有名どころはもちろん、ずいぶんオペラの曲が採用されているのです! これはまだオペラファンではなかった以前はあまり気づかなかったことです。ヴェルディの「椿姫」から『乾杯の歌』、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲、ドニゼッティの「愛の妙薬」などなど。
シェイクスピアは、やはり台詞が美しいですね。俳優人もどこかそれを意識した美しい発音になっています。声楽家波多野睦美さんのゼミや彼女の清涼感あふれる英語の発音を想い出しました。
妖精の女王タイタニアは大変美しく、役柄にぴったり。英国人が大好きだという妖精の世界もファンタジックに描かれています。
1999年の映画ですが、舞台はシェイクスピアの時代ではなくて19世紀イタリア。19世紀の衣装が魅惑的です。

サウンド・オブ・ミュージック(DVD)2004
※2005年に書いたものですが、未アップだったので載せますね♪
言わずもがな・・の名作です。
「ドレミの歌」や「私のお気に入り」などの挿入歌はもちろんですが、個人的には修道院のシーンがとても好きです。大学のキリスト教音楽の講義では教材に用いています。 日本では、アニメ「トラップ一家物語」もありましたね。
マリアと大佐の結婚式のシーンは、とても荘厳。司式をしているのは司教でしょうか?
最近の「修道院もの」の定番は「天使にラブ・ソングを」シリーズだと思いますが、一昔前だとこの作品で、さらに前だとヘップバーン主演の「尼僧物語」かな?
この話は実話に基づいていますが、美しさと政治的なメッセージを上手く両立させた名作・・と言う意味でも圧巻です。
何と修道院を出てトラップ家へ向かい「I have Confidence」を歌っている場面で、本物のマリアと娘と孫がちらっと写っているらしいのです! 映像で確認したのですが、もしかしてバスのシーンかな? ホントに数秒ですが。

2003 是枝裕和
ARATA, 小田エリカ, 寺島進, 内藤剛志, 谷啓, 伊勢谷友介
「誰も知らない」で是枝作品のファンになり、続けてこの作品を観ました。静かでとてもよい作品でした。
この世での生命を終えて、天国にいくまでの1週間を描いたストーリーです。
私はキリスト教の信仰を持っているので、生死の理解はキリスト教をベースにしていますが、この作品はどちらかというとあまり宗教色はないかもしれません。
天国へ行く前に、生きていた中でもっとも大切な思い出を1つ選んでください・・。
様々な人間が、それぞれの人生からたった1つの情景を選び取ります。天国ではその思い出と共に永遠に生きるのだそうです。
「誰も知らない」もそうでしたが、この作品もとても静かでした。是枝監督お得意のドキュメンタリーにも似た、自然な作品。よい意味で映画ではないようです。
是枝さんは、とても人間を愛していて大切に思っているのかもしれません。お年寄りが愛らしくチャーミングに撮られている様子など、自然にそれが伝わりました。
最初と最後にリードオルガンの音色が登場します。曲名も演奏者も分からないのですが、とてもこの作品にマッチしていました。
※2005年に鑑賞して書いたものですが、こちらには未アップだったので載せますね。

※2005年に鑑賞して書いたものですが、こちらには未アップだったので載せますね。
実際にあった事件をベースにしていること、そして長男役の柳楽くんがカンヌで賞を取ったこと。それ以外の予備知識はほとんどなく観ました。
父親が全員違う4人兄妹。母(YOU)はたまにしか帰ってこないし、次第にまったく帰宅しなくなります。4人とも戸籍がないので学校に行きたくても行けず、やがて・・。
日常的に児童養護施設や親とは一緒に暮らすことの出来ない子どもたちとの交わりがあるので、どうしても彼・彼女たちの顔が浮かんできました。長女の京子ちゃんの表情は、Mちゃんにもどこか似ていてそれだけに素晴らしく、またとても切なかったです。
末娘のゆきちゃんがお母さんを駅まで迎えに行って会えないシーン。お兄ちゃんとおうちへ帰るときに、モノレールを眺めます。このシーンはとてもさりげないのに涙があふれました。
「いつかモノレールに乗って、飛行機を見に行こうね」「うん、見に行こう」
「飛行機に乗ろうね」ではないのです。そして「見に行く」ことさえ出来なかったゆきちゃん・・。
是枝作品は初めて観ましたが、素晴らしい作品だと思いました。ドキュメンタリーに近く、子どもたちの表情がとても自然に撮れています。子どもたちが本当にかわいすぎる・・。
映画を観ながら思い出したのは、アニメの「蛍の墓」です。あれは野坂昭如原作の戦災孤児の話でしたが、「誰も知らない」は現代のストリートチュルドレンとも言えるでしょうか。
またナチス政権下のポーランドを描いた「ぼくの神さま」も思い出しました。子どもへのアプローチがとても似ています。丁寧にワークショップ的な作業をしたであろうことがよく分かりました。
1つ忘れてはならない視点は、母親のみを責めることは出来ないということです。欠落している父親や男性の責任も非常に大きい。
私自身もそうなのですが、子どもがいないカップルが増えている一方で、子どもがいても様々な理由で我が子を虐待をしたり殺害しているニュースが日常的になってしまいました。
私たちは一体何をすればいいのでしょうか・・。見えにくくされている人を見つけ、つながっていくこと。小さなことだけれど、それに尽きるのかもしれません。

オープニングは彼女の短い一生を案ずるかのような、切なげな宗教曲。モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」であるらしい。そしてラストも静かに音楽が流れるが、他はほとんど登場しない。
エコール(学校)での音楽の時間。彼女の歌声は細くても美しいのに、先生も音楽も楽器も・・ムシェットの愉しみにはならない。「希望を持ちなさいとコロンは言う」という歌詞は、彼女の現実とはかけ離れてあまりにも悲しい。
フランス旅行中に何度か見かけた移動遊園地。ムシェットはそこでバンピングカーに乗ってはしゃぐ。唯一楽しそうなシーンかもしれない。そこでの喧噪的な音楽で、我に返った。1967年の映画なので、確かに音楽もその時代のもの。ムシェットは遥か昔の悲しい少女の話ではなかった・・。
ムシェットと聖母マリアが、どこか重なる。森で出会った密猟者に、彼女は小屋で歌を歌ってあげる。「希望を持ちなさいとコロンは言う」・・それはララバイ(子守歌)にも聞こえる。
そんな彼に後には乱暴されてしまって、帰宅後に涙ぐみながら赤ん坊の弟にミルクをあげるシーンは、まるでマリアかピエタ(哀しみの聖母)のようだ。

最初はよかった。修道院で誓願間近のカトリーヌ・ドヌーヴにも似た美しい女性ビリディアナ。リードオルガンでバッハのゴルトベルク変奏曲のアリアを奏でる伯父。その二人の関係は、ある出来事によってこの世的には破綻してしまう。
最後まで見終えたらハッピーエンドではないし、むしろ最初の「聖」やキリスト教的なモチーフが覆って「俗」になりパロディ化されてさえもいる。しかし何故か嫌いにはなれないこの思いは何なのだろう。
自らがブルジョアジーでありながらもブルジョア階級を批判的な視点から描くブニュエル。キリスト教への批判も多く含まれているのだが、それはキリスト教界にどっぷりつかりつつもそのままでよいとは思っていない私個人の思いと、どこかつながったのかもしれない。まだ数作品は鑑賞してみたい。

これは珍しく、映画で鑑賞した。当時住んでいた青森の小さな街であった映画祭。全体の内容とラストを今でもよく覚えている。
実に10数年ぶりに鑑賞したが、やはりケン・ローチ監督の名作とも言える代表作。英国の貧しい家庭に育つビリー。父は行方不明で、母と兄と3人で暮らす。それぞれに日々の生活と自分のことだけで精一杯な家族。朝から新聞配達をして学校へ行き、学校でもあまり冴えないので暴力的とも言える教師に叱られてばかり。
朝の学校礼拝も、まるで「朝礼」と言う感じ。ピアノ伴奏(オルガンではない所が、この地域の豊かではないことを物語っているか)で「めさめよ、我がたま」の賛美歌が歌われ、ここでもやはり教師は怒鳴り子どもたちは叱られる。礼拝って、そんなものではないはずなのに・・。
厳しい環境でたくましく暮らす少年を綴った素晴しい作品であるが、チクチクと胸が痛かった。家族からあまり大事にされず、教師からも大切にされないビリー。宝物とも言えるハヤブサのケスさえも、突然に奪われてしまう・・。ラストの埋葬シーンでは悲しさの中にも決別と決断がにじんでいて、ほんの少しこちらも救われる。
この作品を観ていると、つくづく自分はビリーとは遠い環境で育ったことに気付かされる。特別なぜいたくはして育っていないけれど、何かの選択をする時にいつもいくつかの選択肢や可能性があった。
学校を出たらすぐに就職せざるを得ないビリー。面接官とのやり取りで「別に就職はしたくないが、働かなくてはいけない。何をしたいかって? ぼくには選ぶ余地はないんだ」と淡々と語るビリー。その言葉や切ない表情が、いつまでも頭から離れなかった。
環境の違いはそれぞれあるにしても、せめてそんな子どもや人々に様々な形で「無自覚な暴力」を自分が与えることがありませんように・・。そう願わずにはいられない作品だ。
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